博士課程

学位授与方針(ディプロマポリシー)

工学専攻では所定の期間在学し、各コースが設定した分野の履修要件に基づき合計 14 単位以上修得し、医工農総合教育部が行う学位論文の審査及び最終試験に合格した学生に博士(工学)あるいは博士(学術)の学位を授与します。学位論文は、工学専攻委員会(教授会)の議を経て決定された6名で構成された審査委員会が審査を行います。また、最終試験においては、専攻分野に関する専門知識に加え人材育成目標に掲げる医工農学の俯瞰力、科学者としての倫理観、グローバルコミュニケーション力および高度専門職業人としての能力について審査します。学位審査及び最終試験の合格判定は工学専攻委員会が行います。

エネルギー物質科学コース

エネルギー物質科学コースの履修基準を満たし、エネルギー・環境問題を深く理解し、材料科学、半導体工学やエネルギー科学等に関連した高度な専門知識を駆使して、問題解決、改善に通ずる新しい材料やシステム、デバイス等の研究・開発に携わる研究者、高度専門職業人として国内外の産学界、高等教育機関等において活躍できると判定された者に博士(工学)(Doctor of Philosophy (Engineering) )の学位を授与します。

教育課程編成・実施方針(カリキュラムポリシー)

産業界や学術機関において研究者、高度専門技術者として活躍できる博士人材を育成するために次のカリキュラムを実施します。

①大学院共通科目

高度専門職業人が備えるべき倫理感を習得するための「科学者倫理学」および医工農の学際的な知識を身につけるための「医工農総合特論」 を必修とします。

②工学専攻共通科目

統計の基本概念と統計的推論の基礎理論の学びを通じて、統計の多様な応用を理解し、生活や研究分野で活用するために必要な知識を身につけるための「統計的推論」、およびリスク管理や危機管理において実務に直結する実践的な知識を習得するための「リスクマネジメント特論」を必修とします。

③専門科目

当該分野の基幹技術に関する広範かつ高度な専門知識および専門応用能力を修得するため の科目をコース専門科目として開講します。

④関連科目

俯瞰的な知見や専門応用力を培うために関連する他分野の科目を履修することができます。

学生の学修成果は、シラバスに明記された評価方法及び評価基準に基づいて、授業の到達目標への到達度により評価します。

【評価方法】

  • 講義科目においては、理解度を確認する筆記試験、レポート及び小テスト、受講態度などにより、到達度を判定します。
  • 演習、実験、実習、実技科目においては、筆記試験、レポート及び小テストに加え、参加度や発表内容、実技等を通じて、到達度を判定します。

学位論文については、厳格で透明な論文審査を行います。

エネルギー物質科学コース:

「物質化学分野」、「電子デバイス分野」、「グリーンエネルギー変換工学分野」の 3 分野で構成されたエネルギー物質科学コースでは、各々の分野内で高度な専門知識の教育を行うだけではなく、分野間で横断的な相互協力を行い、個々の分野のみでは学ぶことが難しい、幅広い専門知識の教育も行います。コース内の幅広い専門知識と、分野内のより高度な専門教育とのバランスの良い研究教育により、産学界で永続的に活躍できる人材の養成を行います。

入学者選抜方針(アドミッションポリシー):

<育成目標>
 医工農の分野を越えた研究指導体制と学際的教育を施すことにより工学とその周辺領域の俯瞰力と産業や研究開発マネジメント力を涵養する。また、大学院共通の科学者倫理科目に加え専攻共通のリスクマネジメント科目を履修させることにより現代の産業や工業技術が自然や身体に与える影響に関する洞察力と高い倫理性を身につけた人の養成を目指しています。

<求める能力・人物像>
 産業界や学術機関において研究者、高度専門技術者として活躍できる博士を育成します。現代文明とそれを支える産業の持続的発展やイノベーションに貢献しようとする意欲と博士課程の教育を受けるに足る基礎力をもった人を求めています。

エネルギー物質科学コース

<育成目標>
 現代の人類にとって最も大きな課題の一つであるエネルギー・環境問題の改善を目的としたエネルギー分野や物質科学分野における研究・開発を行い、産官学界において国内のみならず国際的に幅広く活躍できる人の養成を目指しています。

<求める能力・人物像>
 エネルギー・環境問題の改善のための新機能材料合成、新デバイスの開発、エネルギー関連材料の創製やシステムの構築において、専門的知識と技術を駆使してさらに発展させたいと考えている人、またこれらの研究開発に関わる専門技術者・研究者を目指す人を求めています。

試験区分別の入学者選抜の基本方針
 上記の<求める能力・人物像>で示す能力等を有する人を評価するため、以下の方法により選抜します。

一般選抜
修士の学位論文等の審査、口述試験(研究計画に関する試問等)、出身大学大学院等の成績証明書の審査結果を総合して判定し、合格者を決定します。

社会人特別選抜
本選抜は、優れた専門知識と十分な研究業績を有する社会人(官公庁又は企業等に勤務し、所属長から承諾を受け入学後もその身分を有する方)を対象に実施しています。研究業績(学術論文、研究報告書、特許、著書、修士の学位論文等)の審査、口述試験(研究計画に関する試問等)の審査結果を総合して判定し、合格者を決定します。